【連載】Vol.004 3 of 5 サッカー香港代表・中村祐人という生き方
チームについて 3 of 5
---続いて、チームについてお伺いします。先ほど、システムは4-3-3で、高い位置からプレスをかけてボールを奪うスタイルとのことでしたね。
中村祐人「そうです。前の監督がそのスタイルをしっかりチームに落とし込んでくれました。前監督については、僕は香港でナンバーワンの監督だと思っています。わずか一ヶ月しか一緒に仕事ができなかったけど、今後も機会があればぜひ一緒に仕事したいですね」
※19年11月8日。Taipo FCは今季から指揮を執っていた郭嘉諾監督の辞任を発表。後任には憑凱文監督が就任した。
---監督が代わってからも、そのスタイルは維持されたのでしょうか?
中村祐人「はい。今の監督も、前監督のいい部分をそのまま受け継いでやっています」
---今の監督との関係はどうですか?
中村祐人「僕をレギュラーとして使ってくれていますし、信頼されているなと感じています」
---チームメイトとの連携部分はどうですか?
中村祐人「悪くないです。4-3-3のFWの三人はブラジル人2人と韓国人なんですが、能力も高いし、やっていてやりやすいです」
---チームはここまで6試合を終えて2勝3分1敗の勝ち点9、暫定ですが5位につけています。Taipo FCは昨年のリーグチャンピオンではあるものの、監督や主力選手が多く抜けて、今シーズンはまた新たな出発をしています。今シーズンの優勝ということについてはいかがでしょうか。
中村祐人「本気で今シーズンの優勝を狙いに行くなら、もっと選手の補強が必要だと思います。昨日の試合(第7節vsレンジャーズ)こそブラジル人選手を3人欠きながらも勝利できましたけど、うちのチームはまだ外国人枠に空きがありますし、ローカルの中堅選手も必要ですね」
---それは優勝するだけの戦力強化という意味ですか?それともリーグ戦、カップ戦、そしてアジアの大会も来年から控えているチームにとって、単純にもっと枚数が必要ということですか?
中村祐人「両方ありますけど、単純に枚数が足りてないというのもあります。例えば他チームならベンチメンバーを見ても充実しているけど、うちはまだまだですし。それに今後は今季のリーグ前半で延期になった試合がリーグ後半に入ってきますし、アジアの大会はウィークデーに試合が入ってきますからね」
---中村選手としては補強はしてほしいと?
中村祐人「してほしいというより、補強が必要だと感じています。まぁでもそこはクラブが考えることなので。選手としては、現有戦力でいかに戦っていくかを考えるだけですね」
---6試合で勝ち点9なのでまだまだリーグ優勝に対して悲観することはまったくない数字です。でも、実際には選手層に問題を抱えていると。
中村祐人「そうですね。逆にそれでもリーグ戦でまずまずの成績を残しているので、ポテンシャルはあるチームなんだと思います」
---中村祐選手は現在、先発で出場し続けていますし、またフル出場に近いプレー時間です。選手層ということで言うと、来年、アジアの闘いも入ってきたときに、香港でのリーグ戦、カップ戦、そしてアジアと、全試合でフル出場を続けていく可能性もありますよね。そうなったとしても問題ないだけのコンディションが現時点でできているのでしょうか?
中村祐人「そうですね。今は本当にコンディションがいいので、問題ないと思います。それに、僕は試合が続いてくれたほうがコンディションを維持できるので」
---今季開幕直後は出場機会がなく、Taipo FCに来てからフル出場するようになったのですが、最初はやはり90分はきつかったのでしょうか?
中村祐人「そうですね。Taipo FCに移籍後、初スタメンが傑志との対戦だったのですが、ほぼフル出場したこの試合ではまだ気温が高かったこともあってちょっときついなと感じました。でも、中2日で出場した次の試合では試合終盤まで問題なく走れましたね」