【連載】Vol.004 4 of 5 サッカー香港代表・中村祐人という生き方
代表への思い 4 of 5
---次に、香港代表についても聞かせてください。香港代表はワールドカップのアジア2次予選を戦っていますが、現在、イラン、イラク、バーレーン、カンボジアが同居するグループCで5試合を終えて1勝2分2敗の勝ち点5、暫定で4位となっています。香港代表の現状をどうご覧になっていますか?
中村祐人「う~ん。まぁ僕は招集されていないので何ともいえませんが」
---香港代表の試合はご覧になっていますか?
中村祐人「観てることは観ていますよ。でも他の代表戦の試合を観ながらとか、その試合だけを観ているわけではないですね」
---例えば、自分が招集されたときを想定して、香港代表の試合を見ながら、イメージトレーニングをするとかはないですか?
中村祐人「それもあまりないですね。というか、今の香港代表の試合については、思うところもいろいろあるので」
---どのようなところでしょう?
中村祐人「う~ん(少しの間、言いよどむ)。まぁとても現実的な戦い方をしているといえばそう言えるでしょうね…」
---確かに同組には格上のイラン、イラク、バーレーンがいますから、戦い方は大変かもしれません。
中村祐人「まぁ難しいですね、こればっかりは」
---中村選手は今シーズン、Taipo FCでレギュラーとして出場しています。代表に選ばれるためには、まずは所属クラブでしっかりと活躍することが大前提だとすると、少なくともそこはクリアできていますよね。
中村祐人「そうですね。それに、チームを勝利に導くプレーもできているし。どれだけ見てくれているのかはわかりませんが、呼ばれれば、いつでも香港のために戦う準備はできています」
---今は招集されていないが、いつでもプレーする準備と覚悟はできていると?
中村祐人「もちろん、いつだってそうです」
---ワールドカップのアジア予選は次は20年の3月まで試合がありませんが、12月には日本、韓国、中国、香港の4チームで争う※E-1選手権(イーワン選手権)がありますね。
中村祐人「はい。E-1はとても出たい大会です。というよりも、この大会に出るために香港パスポートを取得したといっても過言ではないくらい、僕にとって大事な大会です」
※E-1選手権は東アジアサッカー連盟が主催する代表チームの大会。日本、韓国、中国はシード国として予選を免除されており、残り一枠を東アジアサッカー連盟に加盟している残りの7チームで争う。19年12月に韓国で開催される今大会では香港が見事に予選を勝ち抜いて本大会への出場を決めたため、日本vs香港の代表戦が実現する。