【連載】Vol.005 プロローグ サッカー香港代表・中村祐人という生き方
プロローグ
新型コロナウイルスの脅威は当然ながらサッカー界にも影を落とし、主要国リーグは軒並み休止状態。今日現在、日本でもJリーグの再開目途は立っていない。中村祐人がプレーする香港プレミアリーグはカップ戦を無観客で実施したあと休止に入るというイレギュラーな状態である。そんな中、香港サッカー協会は4月16日に公式声明で今季残り試合と来季の開幕について発表した。そのスケジュールは、今季残りのリーグ戦を8月中旬から再開し3ヶ月後の11月初旬に閉幕。そしてそのまま同じ月の下旬から来季を開始するという驚きのものだった。もちろん、コロナ禍における緊急対応なので批判や異論などあろうはずがない。ただ、いわゆる欧州サッカー界と同じ「秋春制」(秋に開幕し春に閉幕)を採用する香港プレミアリーグがこのような形になることの違和感は、コロナ禍の影響と頭でわかっていても拭いきれないのである。
このような状況下で中村祐人にビデオ通話でインタビューに応じてもらった。協会から発表された新スケジュール、現在の香港のコロナの状況、そして中村祐人はどのような日々を過ごしているのかについて聞いた。
また地元メディアの企画により、ファンからの質問に中村祐人本人が答えるというイベントが実現した。そこでは中村祐人が思う香港サッカー界への問題提起もあり、私はこのインタビューでそこを深堀りさせてもらった。思えば、リーグ戦が正常に開催されていれば質問は当然ながらプレーやコンディションに集中する。その意味では、今回のように多方面に渡って彼の意見を聞けるのも「今だからできること」なのかもしれない。
それでは、最新の中村祐人の声をお届けする!