【連載】Vol.005 2 of 5 サッカー香港代表・中村祐人という生き方
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---香港における新型コロナウイルスの現状はいかがでしょうか?
中村祐人「最近では新規感染者について5日連続でゼロだったときがあったりと、終息に向かってはいると思います。香港政府が終息を判断する基準を設けているので、そこに至るまでは予断を許さない状況が続きますが。ジムなんかも今月中には再開するのではないかと思いますね」
---ちなみに日本は緊急事態宣言が5月末まで延長され、ゴールデンウィーク明けもまだまだ厳しい状況が続きそうです。日本にいる中村選手のご家族やご友人は大丈夫ですか?
中村祐人「はい、みんな元気にやっています」
---香港ではどうですか?
中村祐人「傑志(キッチー)のコーチの一人がコロナウイルスに感染してしまいましたが、それ以外はサッカー界含めて僕の友人や知人も問題はないですね」
---香港ではまだステイホームを徹底している状況ですか?
中村祐人「いや、そこまでではないです。結構みんな外出ができるようになってきてますね」
---香港は新型コロナウイルスの前には民主派デモと政府の対立が激化して、それによるサッカー界への影響もありました。デモからコロナと、一年以上ある意味では特殊な状況によりサッカー界も影響を受けています。もちろん中村選手にとってもプロキャリアで初めてのことだと思いますが、今どんな風に感じていますか?
中村祐人「今季は調子がよかったし、チームとしても個人としてももちろん正常な形で続けたかったですけど、まぁもうコロナウイルスに関してはどうしようもないですし、それによって今季やってきたことが否定されるわけでもないので。むしろこういう時だからこそ、自分が香港サッカー界のために何かできることをしようと思ってやっているところです」
---やはりプロサッカー選手として、中村選手も何かを発信していくことを考えていらっしゃるんですね?
中村祐人「僕はまだまだ発信力は小さいですけど、ちょうど今、こっちにいる日本人選手たちと一緒にトレーニング動画をSNSで発信し始めたところです。動画を見てくれる人、そしてさらには香港人選手もこういう活動に賛同してくれればひとつのムーブメントになると思うし、そうなっていければいいなと思いますね」
---インスタグラムにアップロードしていた動画ですね?拝見させていただきました。あれはメディアが仕掛けたものではなく、中村選手はじめ、選手発信で始まったものなんですね?
---ご自身のトレーニングはどんな感じですか?
中村祐人「うちのマンションの中にプールエリアがあるんですけど、そのスペースを使って、妻に手伝ってもらいながら、普段ではできないようなウェイト系のトレーニングをやっています。また今は閉まってしまいましたが、1ヶ所だけ開いていたグラウンドがあった時は、日本人選手で集まってそこでボールを蹴ったりとかですね。あとは普段から少しずつですが走るようにはしています」
---今はもう外でランニングはできる状況ですか?
中村祐人「はい。外出する人が増えてきたので、人が多いことは多いですが、まぁやれている状況ではありますね」
---できることをやるしかない状況だと、どうしてもウェイト系のトレーニングがメインになってしまうのでしょうか?
中村祐人「そうですね。例えばスプリント系のメニューをやりたくてもできないような状況の中では、ウェイト系の中でも心拍に負荷がかかるようなメニューを取り入れたりとか。あとは仲間うちで声をかけあっていろいろやっている感じですね」
---身体が資本のアスリートにとって、自分がコロナに感染することは致命的な打撃になってしまうわけですが、やはり中村選手も相当気を遣ってきたのではないですか?
中村祐人「そうですね。でも今振り返るとですけど、結構危険だったなと思いますね。というのもコロナが流行りだしてからも普通にトレーニングや試合をやっていた時期がありましたから。あの時はよくやってたなと、今振り返ると思いますね」